不動産投資の基本的な考え方
不動産投資とは、物件を購入して賃貸したり、売却したりして、収益を得ることです。主に、家賃収入を得る「インカムゲイン」と、売却時の差益を狙う「キャピタルゲイン」があります。どちらにも、損失が出る可能性があります。
不動産投資は、利益が出ると決まっているものではありません。家賃の下落、空室、修繕費の増加、金利の上昇、売却時の価格の下落など、さまざまな要因で結果が変わります。株式や預金とは違い、1つの物件に大きな金額がかかるため、判断を誤ったときの影響も大きくなります。
始める前に、次の点を整理しておきましょう。
- 投資の目的(毎月の収入、老後の備え、資産の形成など)
- 投資に使える自己資金と、借入できる金額
- 許容できるリスクの大きさ
- 運営にかけられる時間と手間
あわせて、生活費や急な出費に備えた資金を、投資とは別に残せているか、短期間で結果を求めていないかも確認しておきましょう。不動産投資は、収益が安定するまでに時間がかかる場合があり、売りたいときにすぐ現金にできるとは限りません。
物件選びの視点
物件選びでは、価格や表面的な利回りだけでなく、次の観点で確認します。
- 立地と需要:駅やバス路線、主要道路、大学や企業、商業施設からの距離を確認し、入居者が見込めるエリアかを見極めます
- 建物の状態:築年数、構造、修繕の履歴、今後必要な工事
- 法令上の制限:用途地域、接道の状況、再建築ができるか
- 賃料の水準:周辺の同種の物件と比べて、無理のない設定か
- 将来の見通し:人口や世帯数の動き、地域の開発計画
滋賀県は、地域によって需要の特徴が大きく異なります。車での移動が中心の地域では駐車場の台数が、駅周辺では駅からの距離が、入居の決め手になることがあります。周辺の物件の空室状況や、賃料の推移を、複数の情報源で確認しましょう。
築年数が経った物件は、価格が抑えられている一方、修繕費がかかる場合があります。購入前に、建物の状態を専門家に確認してもらう方法もあります。
見落としやすい例として、利回りの数字だけを見て決め、修繕の履歴、管理の状態、周辺の空室の状況を確認していなかった、というケースがあります。購入前に、過去の修繕の記録、管理の運営状況、同じ条件の物件がどれだけ募集されているかを確認しておくと、見落としを減らせます。利回りの見方は、不動産投資の利回りの種類と見方で整理しています。
収支とリスクの見方
収支を考えるときは、収入から、費用と借入の返済を差し引いた「手元に残るお金」を見ることが大切です。
利回りには、物件価格に対する年間の家賃収入の割合を示す「表面利回り」と、運営費用などを考慮した「実質利回り」があります。たとえば、価格1,000万円の物件で年間家賃収入が100万円なら、表面利回りは10%です。ただし、実際には空室や管理費、修繕費、税金などの影響で、収入のすべてが手元に残るわけではありません。
物件を比較する際は、利回りだけでなく、借入の返済額も含めて収支を確認し、毎月・年間でどのくらいのお金が手元に残るかを把握しましょう。
主なリスクには、次のものがあります。
- 空室のリスク:入居者が決まらず、収入が減る
- 家賃下落のリスク:築年数の経過や周辺の供給で、賃料が下がる
- 修繕のリスク:大規模な修繕や設備の交換で、費用がかかる
- 金利のリスク:変動金利の場合、返済額が増える可能性がある
- 売却のリスク:売りたいときに、希望の価格で売れない可能性がある
これらを織り込んで、厳しい条件の場合でも返済を続けられるか、試算しておくことが大切です。賃貸経営の収支の考え方は、滋賀で賃貸経営を見直すでも整理しています。
試算では、家賃の下落、空室の期間、金利の上昇、修繕費の増加を、一度に重ねるのではなく、一つずつ条件を変えて、返済にどう影響するかを確かめてみましょう。どの条件に弱いかが分かると、借入額や自己資金の割合を見直す判断材料になります。
バリューアップの考え方
バリューアップとは、改修や運営の工夫で、物件の価値や収益を高める取り組みです。
- 内装・設備の更新(キッチン、浴室、照明、インターネット設備など)
- 間取りの変更や、用途の見直し
- 外観や共用部の改善
- 管理の質の向上、募集方法の工夫
- 駐車場や付帯設備の見直し
ただし、費用をかけても、家賃や入居率が上がるとは限りません。改修の費用が、増える収益で回収できるかを、あらかじめ試算してください。特に、築古の物件では、見た目を整えるだけでは根本的な課題が解決しないこともあります。建物の状態を確認したうえで、優先順位を考えましょう。
改修の判断で迷うときは、改修の前に、同じ条件の周辺物件の募集賃料を確認し、改修後に見込む賃料との差と、改修費を比べます。差が小さいときは、改修の範囲を絞る方法も考えられます。
融資の基本
不動産投資では、金融機関から融資を受けるのが一般的です。融資の条件は、金融機関や時期、借りる人の状況、物件の評価によって異なります。
- 金利のタイプ(変動、固定)と、返済期間
- 自己資金の割合
- 借入の返済額が、収入に占める割合
- 物件の担保としての評価
借入が大きいほど、レバレッジ(少ない自己資金で大きな投資をすること)の効果が見込める一方、損失が出たときの影響も大きくなります。無理のない借入額にとどめることが大切です。
投資の勧誘を受けるときは、「利益が出る」と断定するような説明や、リスクの説明が少ない提案に注意しましょう。勧誘に不安を感じた場合は、宅地建物取引業者の免許行政庁や消費生活センターに相談できます。不動産所得の税金については、国税庁の公開情報や、税務署、税理士でご確認ください。
相談の進め方
不動産投資は、物件の選び方だけでなく、資金計画、運営、税金、出口(売却)まで、見通しを立てることが必要です。相談する前に、次の点を整理しておくと、話がスムーズに進みます。
- 投資の目的と、期間のイメージ
- 自己資金と、借入の希望額
- 気になっている物件や、エリア
- 不安に感じていること
物件の収支や資産の見直しについては、不動産ソリューションの相談窓口でも承っています。資産全体の整理は不動産オーナーの資産管理入門も参考になります。ほかの不動産投資の記事は、不動産投資・バリューアップの記事一覧からご覧いただけます。
判断に迷うときは、ページ内の相談窓口もご利用いただけます。ご相談内容に合わせて、事業者をご案内しています。
監修:Terra Keystone 代表(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士)