アパート経営の仕組み
遊休地や相続した土地をどう活かすか考えたとき、選択肢の一つに挙がるのがアパート経営です。土地の上にアパートを建て、入居者に貸すことで、賃料収入を得ていく事業です。
仕組みはシンプルですが、事業として成り立つかどうかは、土地の条件や、地域の賃貸需要、建築や運営にかかる費用などによって大きく変わります。収益は立地や需要で大きく異なるため、一律の金額や利回りで語ることはできません。
アパート経営の大まかな流れは、次のとおりです。
- 土地の条件と、地域の賃貸需要を調べる
- 事業計画(建築費・収入・支出・借入)を立てる
- 建築会社や設計者を選び、建築する
- 入居者を募集し、管理・運営する
建物を建てるときは、多くの場合、建築のための資金が必要です。自己資金で賄う方法と、金融機関から借り入れる方法があり、借入を利用する場合は、返済の見通しが事業の安定に直結します。
アパート経営は、土地活用の一つの方法です。ほかにどのような方法があるかは、滋賀の土地活用ガイドで比較できます。駐車場経営など、建物を建てない方法については、駐車場経営の始め方で確認できます。
向いている土地の条件
アパート経営に向いているかどうかは、土地の条件を丁寧に見て判断します。確認したい主な条件は、次のとおりです。
- 賃貸の需要があるか:周辺に勤務先、学校、駅やバス停などがあるか
- 土地の広さと形:建物を建てやすい形か、駐車場を確保できるか
- 道路との関係:前面道路の幅や、接している長さに問題がないか
- 法令上の制限:用途地域や建築の制限で、アパートが建てられるか
- 周辺の賃貸物件の状況:空室が多くないか、競合が多すぎないか
特に、法令上の制限は重要です。土地によっては、建物の種類や大きさに制限があり、希望する規模のアパートを建てられないことがあります。建築や用途の制限は、各市町の都市計画・建築の担当窓口で確認できます。国土交通省の公開情報でも、制度の基本を確認できます。
車での移動が中心の地域と、駅の近くの地域とでは、求められる賃貸住宅の条件が異なります。地域の賃貸需要は、周辺の物件の募集状況や、不動産会社の話などを通じて、複数の視点から調べておくと判断しやすくなります。
メリットとリスク
アパート経営には、メリットとリスクの両面があります。どちらかに偏らずに、公平に見ておくことが大切です。
主なメリット
- 賃料収入が、継続的な収入になる可能性がある
- 土地を手放さずに、活用できる
- 土地の上に建物を建てることで、相続の際の評価が変わる場合がある
- 建物を長く使えれば、資産として残る
主なリスク
- 空室が続くと、収入が減る
- 家賃は、周辺の相場や建物の古さで変動する
- 借入がある場合、収入が減っても返済は続く
- 建物の修繕や管理に、継続して費用がかかる
- 一度建てると、ほかの用途へ転換しにくい
メリットだけを見て判断すると、想定とのずれに苦しむことがあります。特に空室のリスクは、アパート経営の収支に大きく影響します。収益を断定することはできないため、収入が想定より少ない場合も考えて計画を立ててください。
メリットとリスクを比べるときは、売却という選択肢も並べて考えます。売却の流れについては、滋賀で不動産を売却する流れと注意点が参考になります。
収支・借入の考え方
アパート経営の収支は、収入から支出を引いて考えます。
- 収入:賃料、そのほか駐車場代などの収入
- 支出:管理費、修繕費、税金、保険料、借入の返済など
- 空室の影響:すべての部屋が常に埋まっているとは限らない
収支を考えるときは、満室の状態だけでなく、空室が出た場合や、修繕の費用がかかった場合も想定します。収入が減っても、借入の返済は続くため、余裕を持った返済の計画が大切です。
借入を利用する場合は、金利の変動や、返済の期間による負担の違いも考える必要があります。事業の収支に関わる判断は、税理士や金融機関で確認できます。収益の見方や、投資の考え方は、滋賀で不動産投資を始める前にで整理しています。
税金の面では、固定資産税や所得に関わる税金、相続の際の評価など、確認したい項目が複数あります。個別の扱いは、税理士に確認してください。
建築の費用は、建物の規模や仕様、地域によって大きく変わります。建物の完成後も、入居者の募集や管理、修繕、退去時の対応が続くため、運営を自分で行うのか管理を専門の会社に任せるのかも、あらかじめ考えておく必要があります。管理を任せる場合は、その費用を支出に含めて計画します。建築会社を選ぶときは、複数の会社から提案を受け、内容を比べることが大切です。一つの会社や事業スキームだけで決めてしまうのではなく、条件を比較して判断してください。
事業化に不安があるとき
自分の土地にアパートが向いているのか、借入を含めた事業の見通しに自信が持てないという声は少なくありません。そのようなときは、次のように整理してみてください。
- 土地の条件(広さ・形・道路・用途地域)を書き出す
- 地域の賃貸需要を、周辺の状況から調べる
- 収入が減った場合でも、返済できるかを確認する
- アパート以外の活用方法や、売却と比べてみる
建築や用途の制限は各市町の都市計画・建築の担当窓口、収支や借入の判断は税理士や金融機関、制度の基本は国土交通省といったように、確認先を分けて整理すると判断しやすくなります。
土地活用や賃貸経営については、不動産ソリューションの相談窓口でも承っています。
判断に迷うときは、ページ内の相談窓口もご利用いただけます。ご相談内容に合わせて、事業者をご案内しています。
監修:Terra Keystone 代表(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士)