会社を比べる観点
不動産を売却するとき、どの会社に任せるかで、売却の進み方や結果が変わることがあります。複数の会社から査定を受けたものの、どこに頼めばよいか決められずに悩む方は少なくありません。査定額の高さだけで決めるのではなく、複数の観点から比べることが大切です。
会社を比べるときの主な観点は、次のとおりです。
- 免許と実績:宅地建物取引業の免許を受けているか、どのような取引を扱っているか
- 売却の進め方:どのように買い手を探すのか、販売活動の内容が具体的か
- 査定の根拠:査定額の理由を、事例や相場とあわせて説明しているか
- 得意分野:売却する不動産の種類(戸建て・マンション・土地・投資用など)を扱った経験があるか
- 対応エリア:売却する物件の地域の事情に詳しいか
- 費用の説明:仲介手数料やそのほかの費用が分かりやすく示されているか
査定額は、売れる金額を保証するものではありません。他社より高い査定額が出ても、実際には売れずに価格を下げていくことがあります。査定額が妥当かどうか、根拠を確認することが重要です。査定の種類や見方は、不動産査定の種類と見方で整理しています。
売却全体の流れは、滋賀で不動産を売却する流れと注意点で確認できます。
免許の確認方法
不動産会社が宅建業の免許を受けているかどうかは、国土交通省や都道府県の公開情報で確認できます(2026年10月時点。出典:国土交通省)。国土交通省が公開している宅建業者の検索システムを使うと、免許の有無などを調べられます。契約前に免許の状況を確認しましょう。
滋賀県内で営業する会社については、滋賀県の宅地建物取引業の担当窓口でも、制度の案内を受けられます。
確認したい質問
会社に直接尋ねると、考え方や姿勢が見えてきます。次のような質問を準備しておくと役立ちます。
- この価格を提示した根拠を教えてください
- 売り出し後は、どのような販売活動を行いますか
- 売却の見込みの期間と、うまくいかなかった場合の対応を教えてください
- 似た条件の物件を、これまでどのように売却しましたか
- 媒介契約はどの種類をすすめるのか、その理由を教えてください
- 売却にかかる費用の内訳を、書面で示してもらえますか
回答の内容だけでなく、質問に対して正直に答えてくれるか、リスクやデメリットも説明してくれるかも見ておくと、会社の姿勢が分かります。質問は、査定を受ける前にメモにまとめておくと、聞き漏れを防げます。複数の会社に同じ質問をすると、答え方の違いが比べやすくなります。
回答は、口頭だけでなく、書面やメールで残してもらうと、あとで見返すときに役立ちます。説明が曖昧なまま話が進みそうなときは、その場で契約せず、持ち帰って検討してください。
大手と地域の会社の特徴
売却を任せる会社は、大きく、大手の会社と、地域に根ざした会社に分けて考えることがあります。どちらが優れているということはなく、それぞれに特徴があります。
| 観点 | 大手の会社の傾向 | 地域に根ざした会社の傾向 |
|---|---|---|
| 情報網 | 広い範囲の買い手に情報を届けやすい | 地域の買い手や事情に詳しい場合がある |
| 販売の仕組み | 販売の流れが体系化されている場合が多い | 柔軟に対応してくれる場合がある |
| 担当者 | 担当者の異動が生じる場合がある | 担当者と長く付き合える場合がある |
あくまで一般的な傾向で、実際は会社ごとに異なります。規模だけで判断せず、売却する物件の条件に合うかを見ることが大切です。たとえば、地域の事情が価格に影響する土地や、取り扱う会社が限られる物件では、その地域で実績のある会社が強みを持つ場合があります。
複数の会社に査定を依頼し、それぞれの考え方を比べると、自分の物件に合った会社が見えてきます。専門業者の一般的な選び方は、住宅・不動産の専門業者の選び方でも確認できます。
担当者との相性
不動産の売却は、数か月以上かかることもあり、担当者と連絡を取り合う機会が多くなります。会社の規模や実績と同じくらい、担当者との相性も大切です。たとえば、メリットだけでなく注意点もあわせて説明してくれる担当者は、売却の途中で状況が変わったときにも、率直に相談しやすい傾向があります。
担当者について、次の点を見ておきましょう。
- 質問に対して、分かりやすく丁寧に答えてくれるか
- 連絡の頻度や手段が、自分の希望に合っているか
- 売却に不利な点も、率直に伝えてくれるか
- 契約を急がせたり、不安をあおったりしないか
- 売却したい事情や希望を、きちんと聞いてくれるか
相続した不動産の売却など、事情が複雑な場合は、手続きに慣れた担当者かどうかも重要です。税金や登記の相談が必要になる場面では、会社が専門家と連携しているか、必要に応じて紹介してもらえるか確認しておくと安心です。
会社選びで迷ったとき
複数の会社から査定を受けたあと、どこに任せるか決めかねるときは、次の整理が役立ちます。
- 各社の査定額と、その根拠を並べて比べる
- 販売活動の具体的な内容を、書面にまとめて比べる
- 担当者の対応を、振り返って評価する
- 売却にかかる費用の内訳を確認する
どうしても決められないときは、焦らず、もう1社に話を聞いてみるのも一つの方法です。結論を急ぐ必要はありません。契約の種類によって、売却の進め方が変わることもあるため、媒介契約の3種類も確認してください。
売却にかかる税金の個別の判断は、税理士や税務署に確認してください。お金の面の基本は、不動産と暮らしのお金・税金の基礎知識で整理しています。
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監修:Terra Keystone 代表(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士)