媒介契約とは
媒介契約とは、不動産を売りたい人が不動産会社に買主探しなどの仲介を依頼するときに結ぶ契約です。種類によって、複数の会社に依頼できるかどうかや会社が行う報告の頻度などが変わります。
種類は、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3つです。大きな違いは、依頼できる会社の数と会社に課される義務の重さにあります。専属専任と専任の2種類は1社だけに依頼し、一般媒介は複数社に依頼できます。売却の全体の流れは、滋賀で不動産を売却する流れと注意点で整理していますので、あわせてご確認ください。
3種類の違い
3種類の主な違いは、次のとおりです。
| 比較項目 | 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|---|---|---|---|
| 複数社への依頼 | できない | できない | できる |
| 自分で見つけた相手との直接契約 | できない | できる | できる |
| 契約の有効期間 | 3か月以内 | 3か月以内 | 法律上の上限の定めなし(期間は契約書で確認) |
| 指定流通機構(レインズ)への登録 | 契約締結日から5日以内(休業日を除く) | 契約締結日から7日以内(休業日を除く) | 法律上の義務なし |
| 業務の処理状況の報告 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 法律上の義務なし |
上の内容は、宅地建物取引業法34条の2と同法施行規則15条の10に基づく基本事項で、2026年10月時点の整理です。出典は国土交通省とe-Gov法令検索です。制度は変わることがあるため、最新の内容は国土交通省で確認してください。
なお、一般媒介には、依頼している他社を知らせる「明示型」と、知らせなくてよい「非明示型」があります。どちらにするかは、契約書で確認します。
メリット・デメリットと、契約期間・更新・見直しの考え方
専属専任媒介・専任媒介
1社に任せるため、会社が売却活動に力を入れやすく、報告も定期的に受けられるのが利点です。一方で他の会社に重ねて依頼できないため、会社の力量や相性が合わないと、売却の動きが止まりやすくなります。専属専任は、自分で見つけた買主とも直接契約できない点にも注意が必要です。
一般媒介
複数社に依頼できるため、売却の窓口を広げやすく、会社ごとの対応を比べられます。反面、会社にとっては成約しても自社の収入になるとは限らないため、広告や報告の優先度が下がる場合があります。また、複数社とのやり取りの手間が増える点も考えておく必要があります。
契約期間・更新・見直し
専任・専属専任の契約期間は3か月以内で、更新は依頼者から申し出があった場合に限られ、更新後も3か月以内です。自動更新の特約は無効とされています。期間が終わるタイミングは、依頼先や契約の種類を見直す機会になります。
途中で契約を解除できるかどうか、違約金が発生するかどうかは、契約書の内容によって異なります。結ぶ前に契約書の解除や違約金に関する条項を確認してください。
選ぶときの判断軸
どの契約が合うかは、物件と事情によって変わります。次の観点で整理すると考えやすくなります。
- 早く売りたいか、時間をかけて条件を見極めたいか
- 担当者や会社に信頼を置けるか
- 物件の需要が見込みやすいか(需要が高い物件は一般媒介でも動きやすい場合があります)
- 売却活動の報告を定期的に受けたいか
- 複数社とのやり取りの手間を負担に感じないか
判断軸は、1つに絞る必要はありません。たとえば、1社に任せて売却活動の報告を定期的に受けたいのか、複数社の対応を見比べながら進めたいのかを先に決め、そのうえで他の観点に優先順位をつけると整理しやすくなります。売却する物件が自宅か、相続した物件か、投資用かによっても、重視する点は変わります。
査定額や売却までの期間は、物件の条件や市場の状況で大きく変わります。複数の会社の説明を聞き、契約の種類ごとに何をしてもらえるかを文書で確認するとよいでしょう。会社の選び方については、住宅・不動産の専門業者の選び方が参考になります。売却にかかる税金は、物件や状況で異なるため、不動産と暮らしのお金・税金の基礎知識で全体像を確認し、個別の判断は税理士や税務署に確認してください。
どの契約にするか迷ったとき
迷ったときは、まず自分が何を重視するかを決めます。窓口を一本にして丁寧な報告を受けたいなら専任系、選択肢を広げて比べたいなら一般媒介、という見方が出発点になります。そのうえで、会社の説明に売却活動の具体的な内容と報告の頻度が含まれているかを確認します。担当者にどのような方法で買主を探すのか、報告をどのような形で受けられるのかを尋ね、説明が具体的で分かりやすいかを確かめることも、判断の材料になります。
契約の内容は、媒介契約書で確認でき、標準媒介契約約款は国土交通省が公開しています。契約や不動産会社の対応について確認したいときは、滋賀県の宅地建物取引業の担当窓口が確認先になります。なお、免許を出している行政庁は会社ごとに異なる場合があるため、まず窓口に問い合わせて確認してください。契約内容に不安が残るときは、署名の前に宅建業者や専門家に確認してから進めてください。
判断に迷うときは、ページ内の相談窓口もご利用いただけます。ご相談内容に合わせて、事業者をご案内しています。
監修:Terra Keystone 代表(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士)