相続税評価の基本
ご家族を亡くされたあと、不動産の手続きや税のことが気がかりになる方は少なくありません。相続税評価とは、相続税を計算するときの基準になる、財産の価額の決め方のことです。不動産は、土地と建物で評価の考え方が異なります。
土地は、路線価方式または倍率方式で評価し、建物は固定資産税評価額を基準にします。以下では、それぞれの基本的な考え方とどこで確認できるかを一般的な範囲で整理します。相続全体の流れは、滋賀で不動産を相続したらでも解説しています。
なお、評価の方法は、財産評価基本通達に基づくものです(2026年10月時点。出典:国税庁)。制度は変わることがあるため、最新の内容は、国税庁や税務署でご確認ください。
土地の評価の考え方
路線価方式と倍率方式
土地の評価には、主に2つの方式があります。
- 路線価方式:道路ごとに付けられた路線価をもとに評価する方式で、主に市街地の土地に使われます
- 倍率方式:固定資産税評価額に一定の倍率をかけて評価する方式で、路線価が付いていない地域の土地に使われます
どちらの方式を使うかは、土地のある地域によって決まります。路線価と倍率は、国税庁が毎年公表しています。
路線価図・倍率表の確認手順
評価の基準となる情報は、次の手順で確認できます。
- 土地の所在地と地番を確認します(固定資産税の納税通知書や登記事項証明書に記載があります)
- 国税庁のウェブサイトで該当する年分の路線価図・評価倍率表を開きます
- 土地のある地域が路線価が付いている地域か、倍率地域かを確認します
- 具体的な評価額は、土地の形や条件で調整が必要になるため、税理士や税務署で確認します
路線価や倍率は、評価の出発点となる情報であり、土地の形や利用の状況に応じた調整は、別に考える必要があります。調べた数字だけで評価額が決まるわけではない点にご留意ください。なお、住所と地番は異なることがあるため、路線価図や倍率表を調べるときは、地番で土地の位置を確認すると取り違えを防げます。
路線価図や評価倍率表は、年ごとに内容が更新されます。相続が発生した年分のものを選んで確認することが大切です。また、土地が複数ある場合や道路に面していない土地、形が整っていない土地などは、評価の際に考慮される事情が増えます。こうした個別の事情は、ご自身で判断しようとせず、税理士や税務署に確認することをおすすめします。
建物の評価の考え方と、評価額の確認先
建物は、固定資産税評価額を基準に評価します。固定資産税評価額は、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書や課税明細書に記載されています。
手元に通知書が見当たらない場合は、不動産のある市町の資産税の担当窓口で評価額を確認できます。確認の際は、所有者や相続人であることを示す書類が必要になることがあります。必要な書類は窓口によって異なるため、事前に問い合わせておくと安心です。
建物が未登記の場合や増築・取り壊しがあった場合など、現在の状況と評価額の記載が合っていないこともあります。気になる点がある場合は、資産税の担当窓口で状況を伝え、確認してください。登記の内容に関することは、法務局や司法書士が相談先になります。
貸している建物がある場合は、評価の考え方が変わることがあります。該当する場合は、税理士や税務署に確認してください。
特例を調べる視点
相続税には、「小規模宅地等の特例」などの特例があります。ただし、使えるかどうかは、土地の利用状況や相続する人の状況によって異なります。
要件の詳細は、国税庁の公開情報で確認でき、実際に使えるかどうかは税理士に確認するのが確実です。
また、相続税がかかるかどうかは、不動産だけでなく、他の財産や債務を含めた全体で決まります。ご自身の場合にかかるかどうかは、税理士や税務署にご確認ください。
あわせて、評価した不動産を売却するか、空き家として維持するかを考えている場合は、滋賀の空き家をどうする?売却・賃貸・解体・管理の選択肢と判断ポイントや滋賀で不動産を売却する流れと注意点も参考になります。
評価額に不安があるとき
評価額や税のことで不安を感じたときは、一人で抱え込まず、確認先を使い分けると進めやすくなります。
- 路線価・倍率や税の取り扱いについては、国税庁や最寄りの税務署
- 建物の固定資産税評価額については、各市町の資産税・固定資産税の担当窓口
- 名義の確認や登記については、法務局や司法書士
- 評価額や税額の見通し、特例の適用については、税理士
確認先に問い合わせるときは、固定資産税の納税通知書や登記事項証明書、土地の所在地と地番が分かるメモなど、手元の資料をそろえておくと、話が進みやすくなります。
相続の登記や税の手続きには期限が設けられているものもあります。法改正が行われることもあるため、最新の情報は法務局や国税庁で確認してください。ご家族の気持ちが落ち着かない時期でも、確認できるところから、少しずつ進めていただければと思います。
ひとりで抱え込まず、ご事情に合わせて事業者をご案内することもできます。必要なときは、ページ内の相談窓口をご利用ください。