古民家・築古の空き家を活用する前に確認すること
滋賀県内には、古民家や築年数の古い空き家を持つ方が少なくありません。相続で引き継いだものの、使い道が決まらないまま時間が過ぎている、という場合もあります。古い家は、「傷んでいて活用できないのでは」と考えがちですが、状態や立地によっては、選択肢が残されていることもあります。
ただし、活用できるかどうかは、個々の建物や土地の条件で変わります。「活用できる」「できない」と、あらかじめ決めつけることはできません。まずは、次の点を確認してください。
- 建物の状態:傷みの程度、雨漏りやシロアリ被害の有無、増改築の履歴
- 権利関係:名義が誰になっているか、相続登記が済んでいるか、共有者がいないか
- 土地の条件:接している道路の幅、再建築ができるかどうか、用途地域の確認
- 所有者の考え:手放したいのか、持ち続けたいのか、費用をどこまで出せるか
名義が前の所有者のままだと、売却や賃貸といった手続きを進めにくくなります。相続した家の場合は、先に名義の確認が必要です。手続きは、滋賀で不動産を相続したらで整理しています。空き家全体の選択肢は、滋賀の空き家をどうする?売却・賃貸・解体・管理の選択肢と判断ポイントで解説しています。この記事では、古民家や築古の家の活用に絞ります。
活用の選択肢(売却・賃貸・改修して使う)
古民家や築古の空き家の活用方法は、大きく3つの方向に分けられます。
| 選択肢 | 内容 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 売却 | 現状のまま、または手を加えて売る | 買い手がつくまで時間がかかることがある |
| 賃貸 | 人に貸して、家賃収入を得る | 貸せる状態にするための改修が必要になる場合がある |
| 改修して使う | 自分や家族が住む、または事業に使う | 改修の費用と、その後の維持管理の負担がある |
売却は、管理や固定資産税の負担から解放される点が利点です。古い家は、建物を残したまま売る場合と、解体して土地として売る場合があり、買い手の希望や費用の面で違いが出ます。売却の進め方は、滋賀で不動産を売却する流れと注意点で確認できます。
賃貸は、手放さずに収入を得られる可能性がありますが、貸すための改修や、入居者への対応が必要になります。収入は、立地や状態によって大きく変わり、確実とはいえません。
改修して使う場合は、建物の価値を活かせる一方、費用がかさみやすい点に注意が必要です。どの方向が合うかは、建物の状態と、所有者の事情によって異なります。解体という選択肢もあり、費用の考え方は、空き家の解体費用が変わる要因と考え方で整理しています。
改修と費用の考え方
古民家や築古の家を改修するときは、費用が、建物の状態によって大きく変わります。同じ広さの家でも、傷みが少なければ費用は抑えられ、構造部分まで手を入れる場合は、大きな費用がかかることがあります。
費用に影響する主な要素は、次のとおりです。
- 構造部分(柱・土台・梁など)の補修の要否
- 屋根・外壁・水まわりなど、傷みやすい部分の範囲
- 断熱や耐震など、性能を高める工事を行うかどうか
- 用途(住まい・賃貸・店舗など)に合わせた設備の追加
- 建物の使える部分を残すか、大きく作り変えるか
費用は、小規模な補修で済む場合から、大がかりな改修になる場合まで、条件によって大きな幅が出ます。見積もりを取る前に、金額を決めつけて考えることはできません。まずは、建物の状態を、専門家(建築士など)に調査してもらい、どこにどれだけ手を入れる必要があるかを確認することが先になります。
改修の費用を、その後の収入や、売却したときの価格で回収できるかどうかも考えておく必要があります。回収の見込みが立たない場合は、改修せず、売却や解体という選択肢が、現実的なことも多くあります。改修費の考え方は、リフォーム費用の相場と考え方も参考になります。
補助制度の調べ方
古民家や空き家の改修、解体、活用には、市町が独自に補助制度を設けている場合があります。ただし、制度の有無、対象となる条件、補助額、募集の時期は、市町ごとに異なり、年度によっても変わります。このため、具体的な制度名や金額は、市町の最新の案内で確認してください。
補助制度を調べるときの流れは、次のとおりです。
- 建物がある市町の、空き家対策や住宅、都市計画の担当窓口に問い合わせる
- 市町の公式サイトで、空き家や移住、住宅改修に関する補助の案内を探す
- 滋賀県の公開情報で、県が行う制度や、相談窓口の案内を確認する
- 工事を始める前に、補助の対象になるかどうかを確認する
補助制度では、一般に、工事を契約したり、着工したりする前の申請が必要とされることがあります。工事のあとでは申請できない場合があるため、順番を間違えないよう、注意してください。
また、国土交通省近畿地方整備局が公開している、近畿管内の空き家活用事例集には、滋賀県内の事例も掲載されています。どのような使い方があるのか、参考にできる情報として確認してみてください。ただし、事例はそれぞれの建物や地域、事業の条件に基づくもので、そのままご自身の建物に当てはまるとは限りません。
活用の方向性に迷ったとき
古民家や築古の空き家は、思い入れがあったり、費用の見通しが立てにくかったりして、決めるまでに時間がかかることがあります。迷ったときは、次の順番で整理すると、考えやすくなります。
- 建物と土地の状態を、専門家の調査も含めて確認する
- 売却・賃貸・改修のそれぞれについて、費用と見込みを概算で比べる
- 市町の窓口で、補助制度や、地域の取り組みを確認する
- 所有者や家族の考えを、話し合っておく
急いで決める必要はありませんが、放置している間も、固定資産税や管理の負担、建物の傷みは続きます。判断を先延ばしにしている間も費用がかかっている点は、頭に置いておいてください。
決めるのは、あくまでご自身です。市町の窓口や専門家の調査結果を材料にしながら、ご家族の思いも大切にして、無理のない形を探してください。
判断に迷うときは、ページ内の相談窓口もご利用いただけます。ご相談内容に合わせて、事業者をご案内しています。
監修:Terra Keystone 代表(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士)